ハイブランドの洋服を買い、SNSに画像をのせる。
購入の喜びを仲間と共有するというのは洋服の醍醐味の一つでもあり素敵な事だと僕も思います。
しかし洋服ではなくブランドタグをメインに載せるという行為。
これについてはどうしても疑問に感じずにはいられない。(インスタなんかでよく見かけます。)
今回はそのあたりについて考えていきます。
気持ちは分からないでもない。
現代のSNS文化を真っ向から否定しかねない内容なので先に予防線を貼っておきます。
ハイブランドの洋服を買い、ブランドタグの画像を載せる。
これはある程度は仕方のない事だと理解はしています。
というのもツイッターしかりインスタグラムしかり、SNSってどうしても1枚、もしくは複数枚の写真という少ない情報で勝負しなければいけない。
その画面越しの世界でハイブランドの洋服の良さを伝えるって実際、不可能に近いです。
だったらブランドタグを載せた方がそのブランドを知る人と良さを共感出来る。
SNSという媒体の特性を考えると決して悪い事ではないと思います。
洋服そのものの本質を見たい。
しかし洋服好きの立場からするとやはりブランドタグをメインに載せるという行為はどうしても「浅く」感じてしまいます。
なぜだろう。
ここでは少しブランドタグが持つ意味について考えていきます。
ブランドタグは品質の証明。
そもそもブランドタグってなんだろう。
それは結局のところ、どこまでいっても「その洋服」がブランド品である証明でしかないのだと思います。
アパレル業界というのは今も昔もコピー品の存在を恐れてきました。
それは19世紀ファッションという文化が成立し、洋服にデザインという概念が生まれたころからの話です。
安価な模造品に対して品質の差を証明をするために用いられたのがブランドタグ。
言ってしまえば品質の証明という意味での付加価値でしかないんです。
つまりブランドタグというのは洋服そのものの本質から外れた存在であるのだと僕は考えます。
写真を載せるなら洋服を写して欲しい。
つまり、そういう事です。
ブランドものなんだよという写真を載せるくらいならもっと洋服の本質的な部分を写して欲しい。
デザインであったりパターンであったり。
たとえSNS映えしなくても洋服好きであればもっと写すべきポイントがあるのではないかと思ってしまいます。
SNSって服装文化を衰退させるモノなのかも知れない。
僕自身もTwitterは大好きでいつも「しょうもないこと」をつらつらと垂れ流しております。
しかし服装文化という点で考えるのであればSNSってあまり良い影響はもたらさない様にも思われます。
(ボッテガ・ヴェネタなんかはSNSアカウント閉鎖してますね。)
SNSってどうしても「いいね」やフォロワーの数でその人の評価を決めてしまいがちな文化があると思います。
これってかなり危険な事で、つまりマス層に受けやすい発信をしている人が評価されやすい傾向になってしまうんです。
例えばシュプリームのロゴがドンと入ったアイテムを載せれば「いいね」の数は増えると思います。(分かりやすくいいね押せますしね。)
シュプリームに限らず、グッチやDIORなどのハイブランドも同様です。
こういった、みんなに分かりやすいロゴドンと言われるアイテムが評価される風潮が出来上がってしまうと、どうなるでしょう。
より良いデザインの服が生まれにくくなります。
現在、アパレル業界も経営難です。
そうなると、どうしても消費者の需要に応えるため、デザイナーが本来作りたいとは思わないロゴを前面に押したアイテムも作らざるおえなくなります。
(若者はSNSウケのいいロゴドンが大好きですからね。)
デザイナーが本当に作りたいアイテムが作れない。
そうなると、当然いいデザインが生まれない。
どんどん悪循環にハマってしまっているのが現在のアパレル 業界です。
ファストファッションの流行。
これも一部、SNSの影響が強く現われているのではないかと思います。
正直、ブランドロゴがなければSNSの写真1枚でユニクロとハイブランドの洋服を見分けるって結構、難しいです。
ファッションインフルエンサーが「このユニクロのアイテム、オーバーサイズで買ったらハイブランドと一緒だよー」なんていってしまえば本当に一緒だと思ってしまう人も多いのではないでしょうか。
でも言い換えてしまうとブランドタグの力ってそれだけ大きなものなんだなとも思ってしまいます。
実物を見たら全然違うんですけどね。
まとめ
かなり話が脱線してしまったので最後にまとめておきます。
タグって言ってしまえばブランド品である証明でしかないんです。
そこに洋服の本質的価値はありません。
本当に洋服好きだったらダグ抜きで良さを共感できる様になりたい。
僕はそう思います。
今回の記事は以上です。
(べつに載せるのが悪いってわけじゃないんだけどね。笑)